スギ材

スギ材

スギは、本州、四国、九州に分布する日本の代表的な樹種のひとつです。最近では、天然生のものは少なくなり、それはほとんど人工造林されたものです。天然スギの産地として、現在でも知られているのは、秋田地方(アキタスギ)、屋久島(ヤクスギ)などがあります。古くから造林され、北海道南部以南の日本全土にスギの林が見られ、そのうちでも吉野、尾鷲、天竜、日田、飫肥、智頭などの各地方はスギの産地として有名です。スギの名は、幹がまっすぐ伸びる様子から「直木(すき)」に由来しており、日本一背が高くなる木も、日本一長寿の木もスギであります。スギは、素直で軽く粘りがあり加工しやすい性質のため、昔から生活に必要ないろいろな器具や道具がスギで作られてきました。

◆木材:心材と辺材の色の差は明らかで、前者は桃色から濃赤褐色までかなり幅があり、ときには黒くなっているものもあり、このような黒いものをクロジンと呼ばれ、美しいとはいえず、さらにクロジンのスギは含水率が高いので、利用上種々の問題があるので低く評価されています。スギの木材の材質は、生産地の範囲が広く、各産地における造林方法や品種の違いにより、幅広く変動します。スギの木材は、特有の芳香を持っていますが、日常それを感じるのは酒樽の木の香り、あるいは、和菓子の箱などでしょうか。年輪は明らかで、肌目は粗くなっています。

◆用途:建築材(柱、板)天井板、磨丸太、家具、器具、包装、樽、下駄、割箸(高級品もある)、箱(菓子折など)、造船など用途の範囲の広い木材です。