カラマツは日本の針葉樹の中で唯一の落葉樹であり、落葉松とも呼ばれています。本州中部で海抜高1,000~2,000メートルの地域に分布しています。最近では、北海道、東北地方、本州中部の寒冷地帯の重要な造林樹種です。カラマツはそのほかの針葉樹とは違って葉色は明るい緑色なので、遠くからでも見分けやすく、秋には黄葉してよく目立ちます。カラマツはその樹形が美しく、柔らかい感じがありますが、木材の方はどちらかというと重硬で荒々しい感じがします。
◆ 木材:心材の色は褐色ですが、若い間は比較的淡色で、大木になると濃色になります。辺材は黄白色です。木理は一般的に通直でないことが多いのです。春から夏にかけて形づくられる細胞の形の違いが大きいため、年輪がはっきりとわかり、したがって肌目は粗くなっています。木材には“やに”っぽい臭いがあり、軸方向細胞間道(樹脂道)をもっていて、“やに”が材面に滲み出て来るので、どちらかといえば、扱いづらい木材といえます。とくに、若い造林木からの木材の乾燥の際、割れや狂いが出易く、利用する上で大きな問題となっていましたが、最近では高温脱脂乾燥技術により内装材や、柱材等の構造材として利用が可能になってきています。反対に老齢になって成長が遅くなったようなカラマツは“天カラ”と呼ばれ、造林した若齢木と対照的に高く評価され、銘木として高い値段で取引されています。心材の保存性は中庸ですが、水中での耐久性が高いので、杭丸太として多く利用されています。
◆ 用途:建築用材、土台、床・壁材、桁、梁、階段材、そのほかに家具、杭丸太、桟木、合板材、梱包材(パレット材)などに用いられます。